メイン写真

高橋正成の連載コラム「ときの声」
弊社高橋が「日本住宅新聞」に定期寄稿しているコラム「ときの声」を再構成

第9回(2009.10.29)

最近では話題にならなくなったが、あの姉歯事件の発覚後、建築関係の法規に関して、建行政も含めての大騒ぎとなり、建築士法を含めて改正が行われたことは、記憶に新しいところである。

そのことが原因であることは確かだが、この政権交代により、行政に於いても建築基準法や建築士法の改正が進められている。
建築確認の厳格化、構造計算の適合性判定制度の進め方、構造及び設備設計一級建築士の設計への関与義務付け、そして建築士の厳罰化が主なものであろう。

工務店を営むために必要不可欠な「建築士という資格制度」のあり方を含めて考え直す時期に来ているのではないか。
そして、各工務店は今以上に設計(構造を含む)・工事監理(管理も同様)・施工のあり方を再検討し、より知識・技術力をつけていかなければならないのではないか。

国も消費者庁を新設し、家づくりにおいても消費者保護の方向が強くなってくる中、 工務店を含む建築士は、違反や欠陥建築物に対するコンプライアンスをしっかりと持ち、「より良いストック型の家づくりをリードするのは工務店である!」と胸を張って言える業界にしたいものだ。

第8回(2009.8.21)

今日のこの将来の夢や希望を見定めにくい社会の中で、毎年、建築関係の大学から、インターンシップとして大工を目指す学生を、数カ月間お預かりしています。
今年も約2カ月のインターンシップ期間を無事終了しました。

さらに今年は、建築系の大学に通っている学生が、夏休み中に建築の勉強をしたいと工務店に職業体験に来ました。
学生の時期に社会人としての経験を積めることは、とても人生に有意義なことです。

毎回、学生には「挨拶」の大切さを伝えています。
しっかりとした挨拶ができれば今回の目的の半分は終了です。

工務店にとって、大工という職能はなくてはならない存在です。
その大工を目指す若い人を育てる事の大切さは十分わかっているが、実際、それが出来る工務店なるとそれなりの規模と資力が必要となってきます。

とはいえ、そこで諦めず各工務店は自分たちの出来る事を少しでも何か実践しなければなりません。
子供たちに大工さんの魔法を知ってもらえる木工教室やイベントでの鉋かけの体験などのことから社員大工の採用まで、まだまだ試すことは山積しています。

第7回(2009.5.25)

いよいよ「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」(長期優良住宅法)に基づく認定制度が始まった。
年間の新築住宅供給戸数50戸程度未満の中小住宅生産者により、供給される長期優良住宅の要件を満たした建物に、国が一戸当たり建築費の1割以内かつ100万円を限度に補助・支援する制度である。

長期優良住宅の先導型よりも補助金の額は下回るが、制度自体のハードルが低くなっているので、使いやすさとしてはこちらではないか。
また、今回の住宅認定基準は、今後行政が勧める家づくりの基準になるのではないか。
ハウスメーカ-では当然として標準仕様の見直しが行われ、十分対応し、工務店への支援策を、逆に自分たちのセールスポイントとして、広告・営業活動を始めるであろう。

このような中工務店は、この制度を十分理解し、お客様への対応と提案をいかに自社の家づくりに組み入れるかを考えなければいけない。
本来、ストック型の家づくりは工務店の当然のスタンスで地域で活動していたはずだ。

この機会が、工務店の社会的責務を全うする意識と組織の見直しにつながることを期待したい。

第6回(2009.2.28)

どれだけ本物の家づくりができるかが勝負の分かれ目になってきているようだ。
百年に一度の不況といわれている昨今だが、確実に売り上げ・棟数を伸ばしている工務店も多くある。

見学会を開催して来場されるお客さまと家づくりのお打ち合わせをしていく中で、最近お客様の要望がどのようなジャンルについても、具体的かつ実証性を求めるようになってきたと感じているのは私だけでしょうか。

プラン・設計時からのはっきりとした建物のイメージと耐震に関する要望、断熱や通風など温熱環境の要望、使用する素材へのこだわり、家族とのコミュニケーションの取り方などの生活スタイル。
どの項目も、本来家づくりのプロである建築家や工務店・ハウスメーカー側が自分たちのこだわりとしてお客様に聞いていたものであった。

このように、お施主様のより細かな要望にお応えするには、家をつくる側も、より具体的で分かりやすい家づくりのコンセプトを伝える手法を持たなければいけないのではないか。
地域や家族とのよりよい建築空間をつくる為に。

pagetop