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高橋正成の連載コラム「ときの声」
弊社高橋が「日本住宅新聞」に定期寄稿しているコラム「ときの声」を再構成

第19回(2011.11.15)

やはり、なんと言っても日本の住まいは「夏を如何に快適に過ごせるか」を旨に建てることが良いのではないでしょうか。

このような事は徒然草の時代から言われているが、来年も続くと思われる暑い夏、さらに電力不足はそのことを特に意識づける出来事だった。
最近の建築業界紙どこを見てもトップに書かれている見出しはといえば、ゼロエネルギー住宅やら省エネ住宅・エコ住宅等が目につきます。
こんな時代だからこそ「どの様な価値観で家づくりを進めるべきか」悩むのは当然でしょう。

その様な中、これから来る冬の寒さをしのぐ確実な断熱を施したした家づくりが大切、太陽の恵みを十分取り入れる間取りが重要、そして風の流れをコントロール出来る開口部の計画、そのような家づくりを確実に行う事は、結果的に夏過ごし易い家づくりにつながっていると最近の家づくりで感じている。

更に、室内の仕上は無垢の板材や漆喰・珪藻土等室内の湿気を吸放出する自然素材を使用することで、四季を自然のネルギーを中心とした快適な居住空間を手入れることが可能だと思う。

第18回(2011.10.5)

「東日本大震災」以後、国民の意識も国の方針も再生可能エネルギーの導入や省エネルギー化の推進・スマートコミュニティの実現に向かっている。
それに伴い、国交省も住宅を含む建築物のゼロエネルギー化や自家発電設備 ・蓄電池の導入・住宅エコポイントの復活や節電リフォームの推奨に予算を見込んでいるようである。

実際に家づくりを考えている方からは、太陽光発電システムや長期優良住宅仕様等、エコ化した住まいづくりを望まれている方が増えている。
それに対応すべく、工務店等造り手側も創意工夫で家づくりの標準レベルの向上を目指すこととなる。

その事は実務に於いて設計の力が相当必要となる訳で、今まで日本の家づくりの大半を担ってきた大工さんクラスの少数精鋭な組織が上手く対応出来るのか考えてしまう。
不良ストックな家づくりは論外であるが、こつこつとまじめに家づくりに励んでいる大工さんは多いはずである。

そのような大工さんも、最前線の家づくりができるような設計基準や申請方法等、シンプルで分かりやすいシステムを、行政も考えてもらいたいと切望する。

第17回(2011.8.11)

3・11「東日本大震災」が起きて5カ月以上の月日が流れた。
なかなか進まない復興の現状ではあるが、地元の人々や地方行政は本当に頑張っていると思った。

震災から3カ月とちょっと経った時期、岩手県のとあるNPOボランティア組織に登録して被災地の方々に何かできないかと、数日ではあったのですが、活動をしてきた。
我々ができる事はとても小さな事しか出来ないのだが、その小さな行動でも多くの人々の参加と永い目で見た繰り返しの支援はとても大きな力となって被災地に届くことを深く思った。

仮設住宅ひとつとっても様々な仕様で建てられている。
今年の猛暑においてほぼ断熱が無いに等しい建物もあり、相当な暑さの中、特に高齢者の肉体的精神的なダメージは大きいと思う。
それを思うと、大工さんが建てる木の仮設住宅がもっと出来ればと思っているのは私だけではないと思う。

被災地にも大工さんは大勢いたと思う。
当然その大工さんも被災者でもあるでしょう。
そのような大工さんをはじめ、多くの職人さんへの道具や材料の支援も我々の出来る小さな事かもしれない。

第16回(2011.6.15)

3・11「東日本大震災」を起因に東京電力の原発事故から電力の供給に関する事が国民の関心事となっている。
今年の夏は東京電力・東北電力管内のみならず、全国的な電力不足が予測されている。

神奈川県では黒川新県知事がソーラー発電の普及を選挙で発言し当選、菅首相も太陽光発電の活用を世界にアピール。
にわかに太陽光をはじめとした自然エネルギーへのシフトが騒がしくなっている。

様々な企業が太陽熱発電の名乗りを上げているようだが、お客様に近い立場にいる工務店として何をお客様にお勧めするのが良いのかを確り勉強する必要がある。
何百万円も費用の必要な太陽光だけではなく、ローテクで昔から使われている太陽熱温水器も悪くはないのではないか、最近は補助熱源とセットされた貯湯タンク付きの商品も出回っている。
また、遮光スクリーンや外付ブラインド・グリーンカーテンも人気だ。

この様な事を考えると家づくりの基本は確実な断熱を施しにパッシブなシステムで太陽光を最大限取り入れ(夏は遮蔽し)、風の流れを十分考慮する事ではないか。

第15回(2011.4.14)

平成22年3月11日に発生した東日本大震災から一カ月以上たったが、未だ強い余震が続いている。
その強い余震は少しずつ進んでいる復興の成果を振り出しに、いや被災者の心持をマイナスにまで引っ張っているのではないか。

この現状 、被災地ではこれからの住む場所(家)と仕事(収入)の確保が望まれている。
その様な中、建築業界の中でも特に町場の工務店は何をなすべきなのだろう。

震災直後、ある工務店の集まりは被災した仲間からの情報をもとに、西日本をスタートしたトラックが、途中支援物資を集めながら東北を目指した。
被災地に届いた支援物資は、被災地の工務店が避難所を個別に回るという物資のリレーを行っていた。

次の段階には何を為すべきか。
家をつくることは経済波及効果がとても高い。
逆を考えると工務店は様々な物を取り扱える(買える)のである。

まだまだ復興へ道のりは遠いと思うが、少しでも東北の産業の活性化や雇用の為にも、様々な東北で生産される食品をはじめ様々な物資を積極的に買うことも必要なことではないだろうか。

第14回(2011.2.16)

平成22年1月から12月の新設住宅着工戸数が2年ぶり前年を上回り、81万3126戸であった。
うち、工務店の多くが手掛けている一戸建て在来木造住宅は、30万9970戸と全体の約38パーセントとなる。
木造在来住宅を手掛けているハウスメーカーの数字も含まれているが、工務店のマーケットシェアは相当なものだ。

しかし大切なのはそんなシェアが何パーセントではなく、純粋に何件着工したかの件数である。
私の会社は首都圏で仕事をさせて頂いているが、ちょっと不便な住宅街や、分譲が30年以上の分譲地に赴けば分かるが、高齢者世帯ばかりで空き家が多く、子供の姿などほとんど見られることはない。
更にそれが地方に於いては若者の都市部への流出もあり、街には高齢者ばかりとなっている。

着工減の要因を考えると100年に一度の大不況やデフレのせいだけではなく、家づくりをしたいと考える世代の人口減少が相当関与していると思う。

これから日本の人口は確実に減っていくのである。
この事実を軸とした自社の歩む道の地図づくりが工務店の急務である。

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